東京都内ベトナム料理店厨房フライヤー清掃作業報告:蓄積油汚れの徹底除去と安全対策
2025年5月、東京都内のベトナム料理店の厨房にて、深夜時間帯(23:00~24:00)を利用しフライヤー周りの清掃作業(油汚れ除去と床洗浄)を実施しました。
この記事では、飲食店厨房における頑固な油汚れをプロがどのように除去し、安全な厨房環境を維持するか、その手順や使用した洗浄剤、現場での工夫を交えて詳しく解説します。
飲食店の厨房管理を任されている方や、フライヤー清掃の具体的な方法を知りたい方にとって、実際の施工事例は大いに参考になるでしょう。
清掃の背景と課題
厨房のフライヤー下部周辺には長年の使用による油汚れが厚く堆積していました。
このまま放置すれば衛生面の悪化だけでなく、延焼による火災リスクも高まるため、早急な清掃が必要と判断しました。
今回、店舗の営業後の深夜23時~24時の時間帯を利用して作業を実施し、営業に支障を出さないよう配慮しました。
また、深夜作業につきものの警備システムへの注意も欠かせません。
以前、同店舗では施錠忘れや扉のオートロック不備によって警報が鳴り、店舗側に費用負担が発生した事例があったと聞きました。
そのため、作業時は出入り扉の管理に細心の注意を払い、必要最低限の扉(右側扉)のみを使用し、最後には確実に施錠確認を行いました。
清掃手順と作業内容
現場の状況に合わせ、以下のような手順で厨房の油汚れ除去作業を行いました。
- 作業範囲周辺の調理器具や備品を移動して床や周囲を汚さないよう養生を行い、作業前の状態を記録するためフライヤー周辺の写真を同じアングルで撮影しました。
- フライヤー本体の正面や側面、床面に厚く固まった油汚れをスクレーパー(ヘラ)で削り落として大まかな汚れを除去し、狭い隙間は手が入らないため細長いスクレーパーを自作して奥の汚れもかき出しました。
- 動植物油用の強力洗浄剤を塗布してしばらく浸透させ油汚れを分解し、その後スクレーパーや研磨パッド(スコッチパッド)を使ってこびり付いた油汚れを丁寧に擦り落としました。
- 仕上げに清潔なクロスとクリーンパッドで水拭きし、洗剤成分と浮き汚れを完全に拭き取って床面と機器周りを清潔に整えました。
- 養生材を回収し、移動した機器や備品を所定の位置に復旧しました。
- 作業箇所周辺の後片付けと床面の最終清掃を行い、厨房内を原状復帰して作業完了としました。
作業中にスクレーパーで削り取った黄色い油汚れの塊は、ごみ袋がいっぱいになるほどで、自分たちでもその量に驚かされました。
清掃現場で気付いた安全上の課題
私たちは清掃の際、厨房内の安全面にも目を配ります。
今回、レジカウンターや厨房内カウンターのコンセント周りを確認したところ、いくつかの電源プラグのアース線が未接続で、金属の先端部が露出したままになっていました。
アース線がコンセント周辺で接触し火災に至ったケースも報告されているため、放置すると非常に危険です。
現場ではすぐに露出した黄緑色のアース線先端を絶縁テープで巻いて保護し、店舗ご担当者様にもこの状況を共有しました。
電気設備の細かな点検も含め、現場で気付いた危険箇所はその都度対処・報告するよう心掛けています。
さらに、厨房の排気フード(換気フード)下のスペースを見渡したところ、乾燥米麺の袋やココナッツミルクの紙パック、調味料のガラス瓶などの可燃物が置かれていました。
本来、排気フード直下はガスコンロやフライヤー等の加熱機器が稼働するエリアであり、このような可燃物が近くにあるのは非常に危険です。
私たちはただちにこれらの物品をフード下から撤去・移動するよう店舗スタッフに助言しました。
また、加熱機器横の棚の最上段にも同様の物品が収納されていましたが、万一地震や不意のアクシデントで落下すれば、下のフライヤー油や熱湯が跳ねてスタッフに危害を及ぼす恐れがあります。
そのため、厨房内では加熱機器付近の高所(特に最上段の棚)には物を置かない運用ルールを徹底するようお願いしました。
まとめ
本記事では、東京都内のベトナム料理店厨房におけるフライヤー周りの清掃作業(油汚れ除去と床洗浄)の工程を、プロの視点から詳しく解説しました。
長期間蓄積した油汚れを徹底的に除去することで、厨房の衛生状態が大きく向上するとともに、火災リスクの軽減にも繋がることを現場で改めて実感しています。
また、清掃を通じて厨房の油汚れ除去だけでなく、電気配線や物品の収納といった細部に潜む危険箇所を発見できました。
アース線の未接続や不適切な物品配置など、日頃見落としがちな点にも気を配ることで、事故を未然に防ぐ重要性を学びました。
飲食店の安全で清潔な厨房環境を維持するためには、定期的なプロによる清掃と点検が欠かせないと感じています。