マンションの漏水による床はり替え事例

2025/12/08

監修者:Kirei One 編集部

千葉県マンションの漏水による床はり替え事例

千葉県内のマンションで、床張り替え工事を実施しました。
この記事では、床下の漏水調査から腐食した下地木材の補修、新しいフローリング施工まで、プロの作業手順とポイントを現場目線で詳しく解説します。
マンションの床張り替えや千葉での床工事を検討している方にとって、参考になる施工事例です。

現場の状況と漏水調査

今回ご依頼いただいたのは、千葉県内の築年数が経ったマンション一室の床です。
千葉県は海沿いで湿気も多く、経年によって床下木材の劣化やカビが生じやすい環境と言えます。
お客様から「床が部分的にたわんでいる」との相談があり、床下に漏水が起きていないか調査を行うことになりました。
実際にその床部分を踏んでみると、フワフワと沈むような感触があり、内部で何らかの異常が起きていることが伺えました。
11月某日、当社スタッフが現地を訪問し、フローリング材を一部剥がして床下を点検します。
配管や周囲に水漏れの形跡はなく、一見して漏水は起きていないようでした。
床下木材の含水率も計測しましたが、数値に大きな異常はなく、現在は乾燥している状態です。
しかし、床下の木材の一部が黒く変色し、カビ臭が漂っていることに気づきます。
懐中電灯で詳しく照らして確認したところ、下地の木材が腐食して柔らかくなっており、過去の漏水や湿気によるダメージが疑われました。

床下の腐食発見と応急対応

腐食の発見を受け、まずはお客様に状況を報告しました。
床下の木材が弱っているため、このままでは将来的に床が抜け落ちる危険性があることを丁寧に説明します。
報告を受けたお客様も、床下にカビや腐食が発生しているとは思わなかったようで驚かれていましたが、安全のためには適切な対応が必要なことをご理解いただきました。
一度開口した部分には点検口(インスペクションハッチ)を設けて今後も内部を確認できるようにしようと試みましたが、腐食が激しく床板の一部が崩落してしまいました。
私たちも想像以上の傷み具合に一瞬ヒヤリとしましたが、幸い大きな事故には至っていません。
ただ、この時点で部分的な補修では不十分と判断し、床全体の張り替え工事が必要であると結論づけます。
すぐに提携先のリフォーム業者とも連携を取り、お客様にフローリング全面張り替えのプランと見積もりをご提示しました。
お客様も安全面を考慮して張り替えに同意され、後日改めて工事日程を調整することになりました。

床張り替え工事の準備

後日、張り替え工事の本番に臨むにあたり、念入りな準備を行いました。
まず工事箇所の室内に残っている家具や荷物を移動し、作業スペースを確保します。
床や壁、入り口付近にはキズや汚れを防ぐため養生シートを敷き、安全に配慮した作業環境を整えました。
また、工事中は十分な換気を確保するため窓を開放し、必要に応じて送風機で粉塵を外部へ排出する段取りも行います。
必要な資材として、新しい下地用の角材(根太)や床板、工具類を事前に搬入します。
今回は漏水自体は確認されませんでしたが、念のため腐食部分には防カビ剤を散布し、再発防止の処置も施しました。
なお、マンション内での工事となるため、事前に管理組合や隣接住戸の方々へ作業日時を連絡・挨拶し、騒音や振動への配慮も徹底しました。
スタッフ全員が防塵マスクや手袋を着用し、ホコリやカビへの対策も万全にして工事に臨みます。

既存床の解体と下地補修

いよいよ古い床材の解体作業に取りかかります。
まず劣化したフローリング板を部屋全体からすべて剥がしました。
バール(釘抜き)や丸ノコを使い、固く固定された床板を一枚一枚丁寧に取り外していきます。
剥がした古い床板は随時室外へ運び出し、粉塵が舞わないよう袋詰めにして廃材処分の準備を進めました。
床板を全て撤去すると、茶色い土埃にまみれた床下地や梁(はり)が露わになりました。
確認すると、やはり水害で腐って使い物にならなくなっていた大引き(床を支える太い梁)がありました。
私たちは腐食した梁や根太を取り外し、新しい木材に交換します。
交換に使用した下地材は防腐・防カビ処理が施された製品を選び、今後同様の被害が起きにくいよう配慮しました。
併せて、床下のコンクリート基礎や土台部分に溜まったゴミや釘をきれいに清掃しました。
新しい下地材を組む際には、既存の床高さとの段差が生じないよう高さを綿密に測定・調整します。
レーザー水準器や水準器を使って水平を確認し、下地の骨組みをしっかり固定しました。

新しいフローリング施工と仕上げ

下地補強が完了したら、いよいよ新しいフローリング材を張っていきます。
必要に応じて下地合板を新設し、床全体が平滑になるよう調整しました。
今回採用したフローリングは、お部屋の雰囲気に合うダークブラウン系の木目調材料です。
床材同士の継ぎ目や壁際の納まりに細心の注意を払い、一枚一枚隙間なく丁寧に施工しました。
これにより床材の緩みや軋み(きしみ)を防ぎ、仕上がりの品質を高めています。
専用の接着剤とフロア用釘を併用し、床板がしっかり固定されるよう工夫しています。
また、床の一角には点検口も新たに設置しました。
これにより今後万が一床下の様子を確認したい場合でも、一部分を開けて点検できるようになります。
最後に巾木(はばき)と呼ばれる壁際の見切り材を取り付け、新旧材の境目を美しく納めました。
工事後、養生シートを撤去し、床面を清掃して完了です。


今回の張り替え工事は朝から作業を開始して夕方までに完了し、その日のうちに新しい床をお使いいただける状態にできました。
新しい床材は耐水性・耐久性にも優れた最新仕様のため、今後長く安心してご利用いただけます。
新しい床はしっかりとフラットで歩行時のたわみも解消され、お客様にも「安心して暮らせる」と大変喜んでいただけました。
もちろん、施工後は床下から漂っていたカビ臭も完全に消え、室内の衛生環境も大きく改善されています。
新品のフローリングは木目の風合いが美しく、リフォーム前に比べて室内が明るく清潔な印象になりました。

本記事では、千葉県のマンションにおける床張り替え工事の工程を現場目線で詳しく紹介しました。
床下の漏水調査から始まり、腐食した構造材の交換、新しいフローリングの施工に至るまで、一連の流れをご理解いただけたかと思います。
結果的に、早期に問題箇所を発見し、適切な床工事を行ったことで、安全で快適な住環境を取り戻すことができました。
古い建物では、床のたわみや異臭など小さな異変が大きな不具合の前兆である場合があります。
マンションの床張り替え工事は大掛かりに思えますが、プロに任せることで原因の究明から施工まで安全確実に進めることができます。
プロによる早期点検と適切な対策の重要性を改めて実感した施工事例です。
今後も新設した点検口を活用し、定期的に床下を確認することで、より安心な住環境を維持していただければと思います。

この記事の監修者

  Kirei One 編集部

Kirei One編集部は、「すべてを、まとめてKireiに。」を合言葉に、暮らしや事業空間の“困った”を解決する事例を取材・編集するチームです。清掃・修理・リフォーム・大規模工事・生活サポートなど、Kirei産業の現場で活躍するパートナーとユーザーの声をもとに、正確でわかりやすい情報発信に努めています。
事例紹介記事では、担当部署や専門スタッフへの内容確認を行い、再現性のあるノウハウと、現場のリアルが伝わる記事づくりを心がけています。

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