東京都のビル水漏れによるクリニック床除菌清掃の施工報告
作業概要 – クリニックの床除菌清掃について
東京都内のクリニックにて、ビル水漏れによって院内の床が水浸しになる被害が発生しました。
そこで私たちプロ清掃チームは、フロア全体の除菌清掃と消毒作業を緊急で実施しました。
この施工事例では、床材に応じた清掃手順や使用した機材・薬剤、現場での工夫などを現場目線で詳しく報告します。
医療施設の院長や施設管理者の方で、同様の水漏れ被害からの衛生復旧方法を知りたい方にとって、参考になる清掃事例となるでしょう。
背景 – 水漏れ事故とご依頼の経緯
2025年7月下旬、入居ビル内で給水管のトラブルによる水漏れ事故が発生し、クリニックのフロア全域が床上浸水する緊急事態となりました。
幸い水は防災設備から漏れ出した真水で、大きな汚泥はありませんでしたが、床全面が水浸しとなり、拭き取り後も汚れの跡や湿気が残っていました。
お客様(クリニック院長)から7月25日に至急お問い合わせをいただき、衛生管理の観点から専門業者による床清掃と消毒作業が必要とのご相談を受けました。
医療機関という性質上、感染リスクや臭いへの不安があり、早急に清掃消毒を行って翌週の診療再開に備えたいというご要望でした。
私たちはお問い合わせ当日、施工管理担当者と共に現地調査に伺いました。
現場を確認したところ、壁面への水染みはなく床面中心の被害であったため、今回は床の清掃除菌作業に重点を置くことになりました。
また、事務所内のカーペット床は一見乾いていましたが、剥がして触るとわずかに湿り気が残っており、将来的な張替えも検討されていました。
しかしまずは診療を止めている期間内で衛生を確保し、迅速な復旧を図る必要があるため、現状の床材を清掃・除菌して対応する方針となりました。
清掃計画と使用薬剤の選定
現場でお客様と打ち合わせた結果、汚れ自体はそれほど深刻ではなく除菌目的が最優先となりました。
そこで清掃方法は、カーペット部分についてはエクストラクション洗浄(リンサーを用いた洗浄)を採用し、繊維内部まで洗浄・除菌を徹底することにしました。
長尺シート(塩ビ系の弾性床)部分についてはポリッシャー機(床洗浄機)による洗浄は行わず、中性洗剤を用いたモップ拭き洗いで汚れを除去し、最後に除菌剤噴霧で仕上げる計画としました。
この方法であれば床材を傷めず、汚水飛散による二次被害も抑えられると判断しました。
除菌剤としては、主成分にジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを含む粉末タイプの薬剤を選定しました。
これは水に溶かすと強力な次亜塩素酸を発生させる消毒剤で、中性付近の製剤であるため素材への影響が少なく作業者にも安全性が高い利点があります。
粉末を使用直前に溶解することで除菌効果を最大限に引き出せることから、汚水の拭き取り後にこの除菌剤を全床面に噴霧し、拭き上げ仕上げを行う計画としました。
お客様からご要望のあった抗菌コーティングについては、今回の除菌清掃のみで十分効果が期待できることと、費用対効果を鑑みて見送る判断となりました(必要に応じて後日追加検討)。
作業スケジュールについては、お客様の希望日時が7月27日と非常にタイトだったため、現地調査後ただちに見積書と清掃計画書を作成しご提案しました。
幸い迅速に発注のご了承をいただけたため、当社精鋭のKIREI Crewチームを手配し、清掃機材・薬剤の準備を含めて調査当日中に作業準備を完了しました。
診療停止中の限られた時間内で可能な限り早期に対応すべく、社内の調整と事前段取りを綿密に行いました。
清掃作業当日の手順と様子
作業当日は13時から17時の4時間を確保し、クリニックのスタッフの皆様にも一部お立ち会いいただきました。
院内の物品が多かったため、動かせる家具や機材は事前に可能な限り移動し、清掃範囲を確保しています。
特に重量物に関してはスタッフの方にお願いし、安全に配慮しながら進めました。
以下に当日の清掃手順を床材別にまとめます。
カーペット床(事務所内 約15㎡)の清掃手順
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業務用バキュームでのごみ除去:まず強力な業務用掃除機でカーペット表面のホコリやゴミを丁寧に吸引しました。
これにより後続の洗浄工程で汚れが泥状になるのを防ぎます。
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洗浄薬剤の噴霧:カーペット繊維に浸透する専用の洗浄剤を全体に噴霧しました。
洗剤は中性タイプで、臭気を抑えつつ汚れを浮かせる効果があります。
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エクストラクション洗浄(リンサー回収):ポータブルリンサーという洗浄機を使用し、温水と洗剤をカーペットに噴射しながら同時に回収しました。
これにより繊維の奥に潜む汚れや臭いの原因をしっかり抽出・回収します。
床全体を丁寧にリンサーがけすることで、目に見えない汚染物も除去しました。
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除菌剤の噴霧:洗浄後、カーペット表面に先述のジクロロイソシアヌル酸ナトリウム系の除菌剤溶液をまんべんなく噴霧しました。
繊維内部まで行き渡るように噴霧量やノズル角度を調整しながら実施しています。
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自然乾燥と仕上げ:除菌剤を噴霧した後は直ちに回収せず、一定時間そのまま自然乾燥させました。
薬剤が繊維中でしっかり作用するように時間を置き、最後に窓を開けるなど換気を行いながら乾燥を促進しました。
乾燥後、必要に応じて家具等を元の位置に戻してカーペット清掃を完了しました。
長尺シート床(その他フロア 約100㎡)の清掃手順
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洗剤拭き掃除:まずはフロア全体に中性洗剤を希釈した洗浄液をモップで塗り広げました。
汚れが気になる箇所はモップで軽く擦り洗いし、洗剤液が汚れを浮かせるよう数分間浸置します。
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汚水の回収(ウェットバキューム):床全体を洗剤液で湿潤させた後、ウェットバキューム(業務用の水専用吸引機)を使って汚水をしっかりと回収しました。
水溜まりができていた隅や狭いスペースは水吸い専用ワイパー(カッパギ)で確実に掻き出し、残らず吸引しています。
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水拭きによるリンス:次に clean water (清水)を含ませたモップで床を水拭きしました。
洗剤成分を残さないよう二度拭きし、床材表面を中性状態に戻します。
これにより後工程での除菌剤の作用を阻害せず、また洗剤の香りも残りにくくなります。
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除菌剤の噴霧:カーペット同様、床面全体に粉末溶解したての除菌剤溶液を噴霧しました。
特に水漏れの影響で汚水が溜まっていた箇所や、トイレ・処置室など衛生上念入りにすべきエリアには、やや多めに薬剤を散布しています。
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乾拭きと仕上げ:除菌剤を数分間作用させた後、マイクロファイバークロスを装着したモップで床全体を乾拭きしました。
これにより除菌剤によって浮き上がった微細な汚れも回収し、同時に薬剤成分を均一に広げて拭き取ることで床に薬剤が残留しすぎないよう仕上げています。
作業後は送風機と空調を併用して乾燥を早め、清掃作業を完了しました。
作業後の確認と結果
清掃・除菌作業完了後、院長先生およびスタッフの方と一緒に各所の仕上がりを確認しました。
床面は目に見える汚れがなく清潔な状態となり、懸念されていた臭いも大幅に軽減されていることを確認いただきました。
特にカーペット部分は「見違えるように綺麗になった」とのお言葉をいただき、繊維奥のほこり臭さが消えたことで室内の空気も衛生的になったと実感していただけました。
また、念入りに行った除菌処理により、医療施設として安心して患者様を迎えられる環境が整ったとのご評価を頂戴しました。
お客様のご協力もあり、作業は予定時間内に滞りなく完了しました。
事前に清掃工程をご説明し共有していたことで当日の現場での混乱もなく、スムーズに進行できた点も成功の要因です。
結果として、ご依頼からわずか2日後の迅速対応でクリニックの営業再開に漕ぎ着けることができ、お客様にも大変安堵いただけました。
まとめ – プロの除菌清掃で衛生的な迅速復旧を実現
本記事では、東京都内のクリニックにおける床除菌清掃作業の一連の流れとポイントを、ビル水漏れ事故からの復旧事例として紹介しました。
医療施設のような衛生管理が重要な現場では、たとえ水漏れが真水であっても、プロの清掃による徹底した洗浄と消毒が不可欠です。
現場の状況に応じて最適な機材や薬剤を選定し、迅速に対応することで、二次被害(臭いや感染症リスク)を抑えながら安全に業務を再開できる環境を取り戻せます。
今回のケースでは、事前調査からわずか数日で施工を完了し、クリニックの休診期間内に衛生環境を復旧させることができました。
クリニックの院長や施設管理者の方々にとって、本事例が床清掃・消毒の手順策定や業者選定の参考になれば幸いです。
また、緊急対応が求められる水害事故においても、プロのノウハウとチームワークによって的確な処置を施すことで、施設の被害を最小限に抑えられることを実感いただけるでしょう。