神奈川県にあるバイク店の寮個室のルームエアコン修理事例
神奈川県内のバイクショップの社員寮個室にて、ルームエアコン1台の不具合修理を行いました。
この記事では、エアコン暖房能力の低下を冷媒ガス充填で改善した施工手順や、リークテスターを使ったガス漏れ検査の方法、さらに足場のない現場での工夫など、プロの現場目線で詳しく解説します。
店舗オーナーや施設管理者の方が空調設備のトラブルシューティングやメンテナンスの重要性を理解するのに役立つ施工事例です。
真冬に暖房が効かないのは入居者にとって深刻な問題です。
現場は2階建て建物の2階にある個室で、窓上の壁に東芝製ルームエアコン(型式RAS-2214ATM)の室内機が設置されていました。
訪問時、お客様は暖房運転中でしたが、室内機から出る風が生ぬるい状態で暖まりが悪く感じられました。
実際にサービスバルブにゲージマニホールドを接続して運転圧力を測定したところ、暖房時の低圧側圧力が約0.9MPaとかなり低い数値でした。
本来、暖房運転中の圧力はもっと高くなるはずなので、冷媒ガスが不足している可能性が高いと判断しました。
お客様からは「エアコンが故障して効かないので交換してほしい」とご依頼を受けていましたが、まずは修理対応が可能かどうか現場で見極めることにしました。
当社が冷媒ガス不足の可能性をお伝えすると、お客様は「そのような修理方法があるとは知らなかった」と驚かれ、交換せず直るなら助かると修理対応に期待されました。
調査と故障原因
不具合の原因が冷媒不足と推測されたため、さっそく室外機側のサービスポートから冷媒ガスの充填作業を行いました。
専用の冷媒ボンベ(ガスシリンダー)を準備し、黄色いチャージホースで室外機のサービスバルブに接続します。
ゲージマニホールドを使って圧力を監視しながら、少しずつ冷媒を追加していきました。
慎重にバルブを操作し、一気に入れ過ぎないよう細心の注意を払います。
徐々に圧力が上昇し、吹き出し温度も上がってくるのを確認しながら作業を進めました。
もちろん、冷媒ガスの充填や回収は高圧ガスを扱うため危険が伴い、法律上も有資格者しか行えません。
お客様自身で市販のガスを入れるようなことはせず、必ず専門業者に依頼する必要があります。
冷媒を充填するだけでなく、今後再度ガスが減ってしまうようなガス漏れがないか確認することも重要です。
まず室内機側の配管接続部にリークテスター(電子式の冷媒ガス漏れ検知器)をかざして反応を調べましたが、特にアラーム反応はありませんでした。
ただ、現場では機器の反応が鈍いようにも感じたため、念のためガス漏れ検知液(石鹸水のような検知剤)も配管接続部に塗布して確認しました。
それでも泡が出るような漏れ反応は見られず、室内機側からの目立った漏洩はなさそうだと判断しました。
同様に室外機側のフレア接続部についてもリークテスターと検知液で丹念に点検しましたが、こちらも漏れ反応は確認できませんでした。
なお、電子式検知器は風や環境によって微小な漏れを検知しきれない場合もあるため、このように検知液を併用すると確実性が増します。
接続部からはガスが漏れていないとなると、冷媒不足の原因は経年による微細な漏れか、あるいは初期充填量が適正でなかった可能性も考えられますが、現状では大きな漏洩個所は見当たりませんでした。
工夫した点
今回の現場では、作業環境にも工夫が必要でした。
室内機と室外機をつなぐ冷媒配管は建物外壁沿いに設置されていますが、2階部分にはベランダや作業用の足場が一切なく、足場無しの高所作業となりました。
さらに、建物の外壁下には大量の収納ケースや荷物が積まれており、真下に脚立を立てることができない状況です。
高所での作業では安全確保が最優先ですので、今回は室内の窓から身を乗り出す形で室外機に手を届かせ、何とかホース類を接続して作業を実施しました。
本来であれば荷物を移動して脚立を安定させるか、必要に応じて高所作業車や仮設足場の使用も検討すべき場面です。
しかし、現場の状況と作業内容(ガス充填のみ)から判断して、短時間で終わる作業であり安全に配慮しつつ窓越しでの対応が可能と判断しました。
また、今回は汚水や粉塵が出る工程ではないため、室内外の養生もほとんど必要なく、準備撤収の手間が少ない点も助かりました。
幸い、作業中は足元にも注意して慎重に進めたことで、事故無く無事に完了できました。
冷媒ガスを適量まで充填し終えた後は、エアコンの動作確認を念入りに行いました。
暖房運転を継続した状態で、室内機の吹き出し口から出る風の温度を測定すると約40.1℃まで上昇し、作業前に比べて明らかに温風の勢いと暖かさが改善しました。
同時に、室内に戻る空気(吸込み口付近)の温度も約23.1℃を示し、吹き出し温度との差が十分に確保されています。
暖房能力がしっかり回復したことで、お部屋全体も徐々に暖まっていくのを感じました。
また、最終的な運転圧力も適正な範囲に収まり、コンプレッサーの異音や異常振動もありません。
お客様にも実際に温風の出方を確認していただき、「これで暖かくなる」とご安心いただけました。
まとめ
今回の対応では、エアコン本体を交換せずに冷媒ガスの補充で暖房能力を回復できたため、お客様の費用負担も最小限で済みました。
また、作業自体も約2時間ほどで完了し、即日で暖房を復旧できた点でもお客様に大きなメリットがありました。
私自身も、安易に「すぐ新品交換」という判断をせず、まずは原因を突き止めて修理を試みる方針で臨んで正解だったと感じています。
ただし、冷媒ガスは本来密閉回路内を循環しており、通常は減ることはありません。
明らかな漏れ箇所が見つからなかったとはいえ、経年劣化などで微量ずつ漏洩していた可能性は否めず、今後も注意深く様子を見る必要があります。
お客様には、もし再び暖房の効きが悪くなった場合は早めにご連絡いただくようお伝えし、定期的な点検の重要性も説明しました。
本記事では神奈川県のバイク店社員寮におけるルームエアコン不具合の修理事例を、冷媒ガス充填による暖房能力回復の工程を中心に現場目線で詳しく解説しました。
エアコンの効きが悪いからといって即交換するのではなく、プロが点検することでガス不足など修理で対処可能なケースがあることをご理解いただけたかと思います。
また、高所や狭所での作業においては安全管理と工夫が重要であり、プロの経験が生かされる場面でもあります。
空調設備は定期的なメンテナンスによって性能を維持し、故障を予防できます。
また、適切な修理によって交換を回避できれば、費用削減だけでなく廃棄物削減など環境面のメリットも得られます。
店舗や施設のオーナー・管理者の方は、ぜひ専門業者による定期点検と適切なケアを継続し、設備の長寿命化とトラブル未然防止に役立ててください。