エステサロンシャワールームの水栓交換

2025/11/14

東京都のエステサロンのシャワールームの水栓交換事例

東京都内のエステサロンにて、シャワールームの混合水栓交換作業を担当しました。
この案件では、ストレーナーと呼ばれる給水口フィルターが内部で固着し、通常の清掃や部品交換ができない状態でした。
そのため、プロの判断で混合水栓本体ごと新品に交換する対応を行っています。
本記事では、その現場での調査結果や施工手順、使用した部材や工具について、実務経験に基づく視点で詳しく報告します。
エステサロンなど商業施設の水回り設備管理に携わる方や、同様のトラブル対策方法を知りたい方にとって、参考になるケーススタディです。

お客様から「シャワールームの水栓にあるストレーナーが固着して取り外せなくなったので交換してほしい」という依頼がありました。
ストレーナーとは、水栓の給水口に取り付けられた小さなフィルターで、給水管から入り込むサビや砂、スケール(カルシウム分)やゴミを捕えて内部バルブやカートリッジを保護する役割を担っています。
これが目詰まりすると水の勢いが弱くなるため、定期的な清掃が必要です。
実際、今回のエステサロンでは毎年5月に全店舗一斉の定期清掃を行い、その際に水栓ストレーナーの清掃も実施してきました。
しかし長期間の使用により蓄積した汚れや、水道管内のサビ・砂といった異物の影響で、ストレーナーが固着して外せなくなるケースもあります。
今回はまさにその状況で、通常の方法ではフィルターの取り出しすらできない状態でした。

依頼を受けた後、まず現場の状況確認にお伺いしました。
対象店舗はセキュリティの厳重な商業施設内にあり、事前に作業申請書を提出して許可を得る必要がありました。
お客様からは「店舗改装のための一時休業期間中に作業を実施してほしい」とのご希望があり、休業日程に合わせて調査日と施工日を調整しました。

現場調査では、問題の水栓を実際に点検し、ストレーナーが完全に固着して分解不能であることを確認しました。
原因はネジやナット部分に蓄積したスケール(いわゆる水垢やカルシウム成分)が固まってしまい、ねじ山が動かなくなっていたためです。
現場の設備担当者からの報告によれば、当該サロンには浴室に1台、シャワールームに 2台の混合水栓が設置されており、そのうちシャワールームの2台のストレーナーがいずれも外せない状態でした。
各水栓には左右(給水・給湯)にストレーナーが2つ付いていますが、合計4箇所中3箇所が固着してフィルターの取り出しが不能でした。

専用の水栓用ドライバーを使用して慎重に回そうと試みましたが、それでもビクともせず、改めて深刻な固着状態だと判明しました。考えられる原因は二つあります。
(1) 内部で金属部品がサビついてねじ込み部が強固に固着している可能性。
(2) 過去に適切ではない工具(サイズの合わないマイナスドライバー等)で無理に回そうとした形跡があり、ネジ溝が潰れてドライバーの力が伝わらない状況。
このように工具を当てても空回りしてしまうため、通常の方法では分解は困難と判断しました。

ストレーナーの分解が不可能と分かった時点で、私はクライアントに対し水栓本体の交換工事をご提案しました。
現場調査の際に既存水栓の品番(リクシル製 BF-7146TL)を確認できていたため、見積作成と並行して同じ型番の在庫有無や代替品の手配可能性を調べます。
その結果、残念ながら既存モデルは既に生産終了となっていましたが、後継機種である BF-KA147TSL が入手可能であることが判明しました。
この情報をお客様に報告し、新品は後継機種で対応する旨のご了承をいただきます。

交換用に選定した混合水栓(BF-KA147TSL)は、見た目や仕様が従来品とほぼ変わりません。
費用面もほぼ同等ですが、一点だけ新機能として定量止水機能が搭載されています。
定量止水機能とは、水を長時間出しっぱなしにした際に自動で給水をストップする安全機構です(旧機種には未搭載)。
外観に大きな差異はなく金額も同程度で、安全性のみ向上する格好です。
こうして、スパエリアにある3台中2台の不具合水栓を後継品へ交換する方針が正式に決まり、本施工の受注となりました。

作業当日は、店舗の営業時間終了後に交換工事を実施しました。
21時、店舗が閉店してお客様が完全に退出したのを確認し、店舗担当者へ挨拶を済ませてから作業を開始します。
交換作業の主な手順は以下の通りです。

  1. 事前確認: 現状の水の出具合(通水量)をチェックします。
    給水の元栓を閉め、作業箇所周辺にしっかり養生を施しました。
    その上で、施工前の状態を写真に記録します。
  2. 既存水栓の取り外し: 古い混合水栓からシャワーヘッドおよびホースを取り外します。
    本体取付部のナットをモンキーレンチで緩め、左方向(反時計回り)に回して壁から本体を取り外しました。
    壁内部の給水・給湯管のねじ山は、新しい水栓を取り付ける前に汚れや古いシールテープ残渣を清掃し、状態を点検しておきます。
  3. 新しい水栓の取付準備: 新品の混合水栓に付属する取付脚(偏心管)にシールテープをしっかりと巻き付けます。
    巻き方は時計回りに5~7回転程度で、ねじ込み方向と同じ向きに巻くのがポイントです。
    テープを巻いた取付脚を壁側の給水口(右側)・給湯口(左側)にそれぞれねじ込み、仮固定しました。
    水平器を当てて高さが水平になるよう心間距離(左右間の幅)を微調整し、取付脚の上から壁との隙間を覆う化粧カバー(エスカッション)を取り付けます。
  4. 混合水栓本体の取り付け: 準備した取付脚に、新しい混合水栓本体を接続します。
    両側のナットを均等に締め込み、本体が傾かず水平器で見ても水平になっていることを確認しました。
    この際、同梱されているパッキン類が所定の位置に確実に入っているかも合わせて確認します。
  5. 通水テストと点検: 取付が完了したら、閉めていた元栓をゆっくり開放し、新しい水栓へ給水します。
    接続部からの漏水がないか目視で確認しました。
    続いてシャワー側とカラン(吐水口)側の両方から通水し、水の勢いに問題がないか、お湯と水の混合具合(温度調整)が正常に機能するかをテストします。
    最後に再度各接続部やナット周りからの漏れ・にじみが発生していないか入念に点検しました。
  6. 後片付けと撤収: 点検まで問題がないことを確認できた時点で、周辺に敷いた養生シートを撤去し、床の水滴や汚れを拭き上げて簡易清掃を行いました。交換後の新しい水栓や周辺の写真を撮影し、店舗内の照明を消灯。
    施錠・退館手続きを経て作業完了となりました。

工事に使用した主な工具類はモンキーレンチ(大・中)、水平器、ドライバー等です。
また、消耗品として配管用のシールテープを新しい取付脚に巻く際に使用しました(シリコングリスやコーキング材も用意しましたが、今回は使用せずに済んでいます)。

今回の作業は作業員1名で対応し、所要時間は約2時間でした(21:00~23:00で完了)。
最終的に新しい水栓から問題なく通水できる状態となり、お客様にも無事完了をご報告しています。

本記事では、東京都内エステサロンのシャワールームにおける混合水栓交換工事の一連の流れを、現場目線で詳しく解説しました。
ストレーナー固着というトラブルに対し、現地調査から部品選定、交換施工に至るまでプロがどのように判断し対応したのかをご理解いただけたかと思います。
水回り設備の維持管理においては、定期的なメンテナンスでトラブルを未然に防ぐことと、不具合発生時に適切な処置(部品清掃や交換)を行うことが重要です。
プロによる正確な施工によって、施設の衛生と利便性を長期的に確保できるでしょう。

私自身、今回の経験からストレーナー清掃の重要性を改めて実感しました。
また、一度固着してしまった部品に無理に手を加えるのではなく、後継品への交換を提案する判断の大切さも学んでいます。
適切なタイミングで新品交換を行うことで、お客様にとって安全で快適な設備環境を提供できると確信しました。v今後も現場で得た知見を活かし、より良いメンテナンスサービスを提供していきたいと思います。

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