大学構内にある池と噴水の清掃作業事例

2025/10/29

千葉県内の大学構内にある池と噴水の清掃作業を実施しました。

この記事では、池底の汚泥や藻の除去から高圧洗浄、洗剤の使い分けまで、私たちプロ清掃業者の現場目線で施工手順を詳しく解説します。

大学施設の管理担当者や、池の清掃噴水の清掃を専門業者に依頼しようとお考えの方にとって、参考になる施工事例です。

依頼内容と現場調査

千葉県内の大学施設管理者様から、「キャンパス内の池をきれいにしたい」とのご相談をいただきました。

現地調査の結果、池は上下二段構造で、下段は水深約15cmと浅く上段の深さは不明でした。

池には約200匹の金魚が生息していましたが、内蔵の排水ポンプが故障しているため水抜きが困難な状況でした。

また、池から下流の日本庭園まで小川状の水路が約70m続いており、一部では草が生い茂っていました。

担当者様からは、水路に堆積した汚泥や枯葉の除去、茂った水草の撤去も併せてご希望いただきました。

加えて、敷地内にある約6㎡の噴水池の清掃も併せてご依頼いただきました。

現場の状況を踏まえ、金魚は可能な限り捕獲して別の池へ放すこと、水深が浅い池でも持ち込んだ排水ポンプを使用すれば汚泥除去と洗浄が可能であることを確認しました。

作業範囲が広大なため、清掃のゴール地点(日本庭園手前まで等)を事前にお客様と打ち合わせし、出来る限り広範囲を清掃する方針としました。

作業計画と見積もり

現地調査後、作業工程と必要人員を詳細に計画しました。

池清掃・水路清掃・噴水清掃の全体で約4日間の作業を想定し、さらに予備日を1日設けています。

まず池の水抜きには専用ポンプを最低2台使用し、その排水中に他の作業を並行して進めることを検討しました。

1日目は池下段の排水と汚泥回収、および池壁面の高圧洗浄を中心に行う計画です。

2日目は池上段の排水と清掃、水路清掃の開始を予定しました。

3日目には水路全体の汚泥除去と清掃仕上げ作業を進め、4日目は進捗に応じた残作業や最終チェックに充てる計画です。

作業工程表を作成し、各日の作業内容と所要時間を洗い出した上で必要人員を算出しました。

例えば、大量の汚泥回収が予想される初日と2日目には各日6名の作業員を配置し、3日目以降は3名体制に減らして効率化を図る計画です。

今回は池の汚泥量が不明な点や天候リスク(作業期間中に台風接近の予報がありました)も考慮し、余裕を持った人員・日程を組みました。

見積書にはこれら工程や人員算出の根拠を明記し、お客様にも清掃内容と日程のイメージを事前に共有しています。

清掃作業の工程 1日目: 池下段の排水と水路清掃開始

作業初日はあいにく小雨模様でしたが、予定通り朝から作業を開始しました。

まず下段の池にいる金魚たちをできる限り網ですくって捕獲し、敷地内の別の池へ安全に逃がしています。

次に、故障中の内蔵ポンプに代わり持参した排水ポンプ2台を池下段に設置し、水抜きを開始しました。

並行して池内に沈んでいた落ち葉や石などの異物を手作業で撤去し、露出した壁面から順に高圧洗浄を進めます。

当初の見立てでは、2台のポンプで約3時間ほどで下段池の排水が完了する計画でした。

しかし実際に水位が下がると、池底一面に繁茂していた藻が泥状になってポンプの吸入口を詰まらせ、排水効率が大幅に低下します。

急遽、ポンプでは吸いきれない藻泥については乾湿両用の業務用バキュームで直接吸引回収する方法に切り替えました。

一方、排水作業が難航したため、手が空いた作業員3名には予定を繰り上げて水路の清掃に着手させています。

水路では表面に繁茂した水草を剪定鋏で刈り取りつつ、堆積した落ち葉を回収しました。

しかし水草は水路のコンクリート床に根を張っており、除去に手間取りこちらも想定より時間を要しました。

結局、初日は池下段の水抜きと水路清掃に着手した段階でタイムアップとなっています。

2日目: 池上段の排水と汚泥回収・水路清掃の並行作業

2日目はチームを二手に分け、池の上段清掃チームと水路清掃チームで並行して作業を進めました。

午前中に池上段の排水と表面洗浄を完了させ、午後から全員で下段池の汚泥回収に集中する計画です。

上段池は予想より早く、約1時間で水抜きが完了しました。

すぐに壁面やオーバーフロー部分を高圧洗浄し、目に見える汚れを一通り洗い落としています。

池底には苔の塊がこびり付いていましたが、時間がかかるため一部は後回しにし、一旦表面の洗浄を終えました。

一方、水路清掃チームは人手をかけた分、前日より順調に作業が進みます。

午前のうちに水路浅部の泥や落葉をある程度除去し、水の流れを確保できました。

午後からは全員で下段池に戻り、池底に厚く堆積した藻の回収作業に取り掛かりました。

足首が浸かるほどの厚みで20㎡以上に広がる藻はポンプでは処理できないため、前日同様にバキュームで吸引して土嚢袋に回収していきます。

作業員総出で手分けし、下段池の水と藻泥を可能な限り除去しました。

この日の終わりまでに、下段池と上段池の排水・大まかな汚泥回収が完了し、水路の清掃も半分ほど進捗しました。

3日目: 水路の汚泥徹底除去と仕上げ洗浄

3日目は人員を増強して5名体制とし、水路の清掃に集中しました。

前日までに水路表面の泥はある程度除去できていたため、この日は底に残った汚泥の回収を優先しています。

まず水路全長にわたって溜まったヘドロをスコップやバキュームでかき出し、土嚢袋に詰めて撤去しました。

汚泥の量は見た目以上で、回収してみると予想の倍近くに達します。

水分を含んだ泥は非常に重いため、一度袋詰めしてから1時間ほど置いて水を切り、再度袋に詰め直す工夫も行いました。

また、現場スタッフの提案で一部の汚泥は水路内に山積みにして水気を切る方法も試し、効率的に搬出できる状態に整えています。

午前中だけで目に見えていた汚泥の半分以上を回収し、水路底のコンクリート面が露出してきました。

午後には仕上げとして水路全体を高圧洗浄し、壁面に付着した泥や苔もしっかり洗い流しました。

洗浄水で浮き出た細かな泥も業務用バキュームで残らず吸引しています。

こうして水路は泥やゴミのない綺麗な状態に戻りました。

4日目: 池底の徹底洗浄と苔の除去

4日目はいよいよ池底の仕上げ洗浄を行いました。

下段池・上段池ともに水と汚泥の除去は済んでいるため、最後に固着した藻や苔を徹底的に洗い落とします。

事前に用意しておいた藻類専用の洗浄剤(塩素系アルカリ剤)を池底のタイル全面にモップで塗布し、しばらく浸透させました。

その後、ポリッシャー(床磨き機)に目の荒い黒パッドを装着して擦洗します。

黒パッドは研磨力が非常に高く、タイル表面にこびり付いた苔の塊を削り落とすのに最適でした。

洗浄剤の効果で藻が溶け出し、ブラシで擦るとみるみる緑色の汚れが剥がれていきます。

研磨と高圧洗浄で洗い流す工程を何度も繰り返し、それでも落ちない頑固な箇所には追加で洗浄剤を塗布しました。

併せてコンクリート部の汚れにはメタルパッド、通常の床面には茶パッド・緑パッドといった具合に複数種類のパッドを使い分け、あらゆる汚れに対応しています。

仕上げに水垢除去用の酸性洗剤も全体に使用し、白いタイルに付着したカルキ汚れも可能な限り洗い落としました。

夕方、暗くなるまでかかりましたが、池底のタイル本来の明るさがだいぶ戻っています。

しかし、今回の作業ではポリッシャーを1台しか用意していなかったため、広い池底を隅々まで磨き上げるには時間が足りず、残念ながら一部に汚れを残す結果となりました。

もしもう1台機械を用意し並行作業できていればと悔やまれましたが、それでもお客様立会いの最終確認では「十分きれいになった」とご了承いただき、この日の作業を終了しました。

5日目: 噴水池の清掃と水草の除去

5日目は残りの噴水池の清掃を2名体制で実施しました。

噴水池は面積も小さく水深も浅いため、ポンプ1台で約30分ほどで排水が完了しています。

排水中から池周りの壁面やオブジェを高圧洗浄し、苔や汚れを先行して洗い落としました。

池底を洗浄している途中で、排水口用の栓が隠れているのを発見したため開放したところ、残った水が勢いよく排出されます。

幸い汚泥の堆積はほとんどなく、壁面と床面に付いた苔汚れをブラシと高圧洗浄で落としつつ、必要に応じて2種類の洗剤(藻除去用のアルカリ剤と水垢除去用の酸性剤)を使い分けて清掃しました。

手が届きにくい細部はデッキブラシで擦り、最後に綺麗な水で洗い流して池内部の清掃を完了しています。

午前中いっぱいで噴水池内が透明な水底まで見える状態になりました。

午後からは中央の噴水装置周りをブラッシングと高圧洗浄で洗浄し、付着していた藻を除去しました。

さらに、前日までに大方刈り取っておいた水路内の水草について、残り時間で根まで徹底的に取り除きます。

根が岩の下まで入り込んでいたため、石を動かして剪定鋏で根を切断し、一本ずつ確実に引き抜きました。

最初は土のように見えた水路底は、実はコンクリート構造で、その上に水草が繁殖して泥土化していただけだと判明しています。

水路の底面全体が久しぶりに姿を現し、長年蓄積した水草と泥を除去できたことで景観が大きく改善されました。

6日目: 最終仕上げと全体確認

当初確保していた5日目までの作業で主要な清掃工程は完了しましたが、念のため6日目も予備日扱いで2名にて最終確認と仕上げ作業を行いました。

お客様から4日目終了時点で「もう少し水路を綺麗にしてほしい」との要望があったため、水路の追加清掃に対応しています。

具体的には、水路底に残っていた細かな砂利や根を取り除き、よりクリアな状態に整えました。

浅い水を流しながらバキュームで砂利を吸引し、根は手作業で拾い集めています。

大きな岩の下に潜んだ根も可能な限り剪定鋏で切除し、引き抜きました。

最後に水路全体を改めて高圧洗浄し、濁りの原因となる微細な汚れも一掃しました。

午後にはお客様に最終確認をしていただき、「見違えるほど綺麗になった」とお褒めの言葉を頂戴しました。

振り返れば、開始前は苔と汚泥で真っ黒だった池も、作業後には白いタイル床が水越しに見えるまで清潔さを取り戻しています。

本記事では千葉県内の大学施設における池清掃・噴水清掃および水路清掃の工程を現場目線で詳細に解説しました。

限られた日程で予想外の事態に対応するには、事前準備の徹底と柔軟な作業計画が重要だと再認識しています。

大学など大規模施設の水辺環境を維持するには、プロの清掃業者による定期的かつ入念なメンテナンス清掃が不可欠です。

プロのノウハウと現場対応力があれば、池や噴水の清掃も安全かつ確実に美観を蘇らせることが可能です。

今回の施工を通じ、十分な機材手配と人員配置によって作業効率が向上し、最終的にお客様にご満足いただける結果を提供できました。

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