洋服お直し店での店舗エアコン清掃作業報告(壁掛けエアコン分解洗浄の事例)

2025/10/06

東京都の洋服お直し店での店舗エアコン清掃作業報告(壁掛けエアコン分解洗浄の事例)

2025年7月、東京都内の洋服お直し店にて、壁掛けエアコン清掃(室内機の分解洗浄)を実施しました。
本記事では、プロの現場目線でこの小規模店舗におけるエアコン分解洗浄の手順や使用機材、現場で工夫したポイントを詳しく解説します。
洋服お直し店など小規模店舗のオーナーで、店内の空調メンテナンスを検討している方にとって、参考になる店舗エアコン清掃の事例です。

現場の状況と事前準備

今回清掃を行ったのは、白を基調に黄色い模様がおしゃれな壁紙が貼られた店内に設置された一般的な壁掛けエアコンです。
2013年製の日立製エアコン(型式RAS-AJ28E)で、お掃除機能のないシンプルなタイプのため、内部にホコリが蓄積しやすい状態でした。
事前の現場調査で店舗には屋外の水道(散水栓)がないことが判明したため、洗浄作業には店内のシンク(水道)をお借りする計画を立てました。
万一シンクが使用できない場合には、高圧洗浄による水洗いは行わず拭き上げ清掃で対応する想定も立てておきました。

また、お客様から、店舗エアコン清掃を定休日の水曜日に行ってほしいとのご要望がありました。
そこで事前に日程調整を行い、2025年7月23日(水)の朝9時から作業を実施することで確定しました。
店休日の作業とすることで、営業中にお店へお邪魔することなく、作業に専念できる環境を整えました。

当日使用する主な機材や資材は以下の通りです。

  • 高圧洗浄機(家庭用ポータブルタイプ)- エアコン内部のアルミフィンやファンに付着した汚れを高水圧で洗い流すために使用します。

  • 養生シート(ビニールシート)- 壁や床、周囲の家具を洗浄時の汚水や洗剤から守るため、エアコン周辺に敷いて養生するためのシートです。

  • エアコン洗浄カバー - エアコン本体に被せ、洗浄時に出る汚水を受け止める専用カバーです。

  • クリーンパッド(吸水マット)- 洗浄した部品を置く際に下に敷き、水滴を吸収させるための水色のパッドです。

  • 洗浄用の中性洗剤 - アルミフィン洗浄に使用する洗剤です。
    素材を傷めず、油汚れ等もしっかり落とせます。

  • 各種ブラシ・拭き取り用クロス - フィルターや細部の汚れをこすり落とすブラシ類と、仕上げの拭き取りに使用するクロスです。

壁掛けエアコン分解洗浄の手順

ここからは、実際の清掃作業の流れを順を追って説明します。

  1. 養生と事前準備:
    作業開始前にエアコンの電源をコンセントから抜くかブレーカーで遮断し、安全を確保しました。
    また、脚立を用意して高所での作業に備えました。
    続いて周囲の壁や床を養生シートで覆い、特におしゃれな壁紙部分には洗剤や汚水が飛ばないよう丁寧に養生しました。
    エアコン本体にはエアコン洗浄カバーをしっかり取り付け、洗浄時の汚水が周囲に漏れないよう準備しました。
    さらに、取り外したパーツを置く場所にクリーンパッドを敷き、後片付け用にバケツや雑巾も手元に用意して事前準備完了です。

  2. エアコンの分解(外装パネルとフィルター取り外し):
    エアコン前面の外装パネルを開き、固定されているツメを外して慎重に取り外しました。
    プラスチック製のパネルは割れやすいため、力の加減に注意が必要です。
    内部が露出したところでフィルターを取り外しました。
    フィルターにも案の定大量のホコリが付着していました。
    カバーを開けて内部を覗くと、黒いアルミフィン(熱交換器)部分がホコリで真っ白に覆われており、その汚れ具合に驚きました。

  3. 熱交換器(アルミフィン)の洗浄:
    アルミフィンに付着したホコリを落とすため、まず洗浄用の中性洗剤を全体に吹きかけました。
    洗剤を浸透させ汚れを浮かせた後、高圧洗浄機でフィンの隙間に蓄積した汚れを上から下へと念入りに洗い流しました。
    黒いアルミフィン表面にこびり付いていた汚れは、水流とともに茶色く濁った汚水となって洗浄カバーに流れ落ちていきました。
    洗浄後はアルミフィン本来の黒色がはっきりと見えるようになり、隙間に詰まっていたホコリもきれいさっぱり除去できました。

  4. 送風ファンの洗浄:
    エアコン内部の円筒形の送風ファン(ファンブローラー)にも、フィン同様ホコリが付着していました。
    ファンは手前から高圧洗浄機のノズルを差し入れ、ファンをゆっくり回転させながら均一に水洗いしました。
    羽根の一枚一枚についていた汚れも洗い流され、ファン全体が本来の黒い樹脂の色を取り戻しました。

  5. 取り外した部品の洗浄:
    取り外した外装パネルとフィルターは、店内のシンクをお借りして洗浄しました。
    パネル表面の汚れは中性洗剤を含ませたスポンジで擦り落とし、水ですすいでから拭き上げました。
    一方、埃まみれだったフィルターはブラシで丁寧にこすり洗いしました。
    茶色く変色していたフィルターが本来の白さを取り戻し、その劇的な変化に私自身驚いたほどでした。
    洗浄後のパネルやフィルターはクリーンパッドの上に並べて水気を切りました。
    水滴が床に広がらないように配慮しました。

  6. 組み立て・動作確認:
    十分に乾燥させた後、外装パネルとフィルターを元通りに取り付けてエアコンを組み立て直しました。
    取り付け忘れがないか最終チェックを行い、養生シートや洗浄カバーも取り外しました。
    最後にエアコンの電源を入れて試運転を行いました。
    風量や冷房の効き具合、異音の有無を確認し、問題なく清潔な風が出ることをお客様と一緒に確認しました。
    以上で全ての作業工程が完了です。

清掃後の仕上がりと効果

分解洗浄後、エアコン内部は新品同様に清潔な状態になりました。
試運転では力強い冷風がスムーズに吹き出し、清掃前にわずかに感じられた埃っぽい臭いもすっかり消えています。
目に見えなかった汚れが完全に取り除かれたことで、冷房効率が向上し電力消費の無駄も減ることが期待できます。
お店の空間にはよりクリーンで快適な空気が循環するようになり、スタッフや来店されたお客様にも心地よい環境を提供できるようになりました。

このようにエアコン清掃を徹底して行うことで、機器本来のパフォーマンスを取り戻すだけでなく、エアコン自体の寿命延長にもつながります。
ホコリや汚れが詰まったまま使用を続けると、冷暖房効率の低下や異臭、ドレン(水漏れ)などのトラブルが発生しかねません。
定期的なプロの清掃メンテナンスは、それらのリスクを未然に防ぎ、安定した空調環境を維持する上で非常に有効です。
特に小規模店舗では空調設備は限られた台数でフル稼働することが多いため、定期的なケアで故障を防ぎ、快適な店内環境を守ることが大切だと感じました。

本記事では、東京都内の洋服お直し店における壁掛けエアコンの分解洗浄作業について、現場目線で詳しく解説しました。
準備段階の工夫から清掃の手順、仕上がりまでを順を追って述べることで、小規模店舗での実践的な店舗エアコン清掃の流れがお分かりいただけたと思います。

今回の施工を通じて、見た目には綺麗な店内であっても、エアコン内部には想像以上のホコリが蓄積していることを改めて実感しました。
しかしプロの手で適切に清掃を行えば、機器の性能がよみがえり、快適さが確保できることも確認できました。
また、店舗の定休日を利用して作業日程を組むことで、お客様の営業に支障を出さずに施工できる点も重要なポイントです。
今後も定期的なメンテナンス清掃を継続することで、店舗の空調環境を良好に保ち、設備を長持ちさせることにつながるでしょう。

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