東京都の美容クリニック・スパ内石像オブジェのカビ除去と塗装施工報告
東京都内の美容クリニックスパ内に設置された石像オブジェのカビ除去および再塗装を実施しました。
この記事では、高湿度環境に置かれた石像オブジェを美しく再生するためのカビ除去・塗装手順や使用材料の選定ポイントなどを現場目線で詳しく解説します。
美容クリニックやスパ施設の管理者で、内装オブジェのメンテナンス方法に悩んでいる方にとって、参考になる施工事例です。
現場と課題
施工を行ったのは、美容クリニックに併設されたリラクゼーションスパの一角です。
スパ内には白い石彫りのオブジェ(小さな子供が大きな杯のまわりに座っている石像)と、壁面に装飾された葉っぱモチーフの石造オブジェが複数配置されていました。いずれも湿度の高いスパ環境に長く晒されていたため、表面に黒ずみやカビ汚れが目立っており、美観と衛生面の両方で問題となっていました。
ちょうど店舗全体の改修工事が進行していたこともあり、「リニューアルオープンに合わせてオブジェも綺麗に一新したい」という現場からの要望が上がっていました。
その声を受けて、美容クリニックの運営本部は予算を確保し、プロの手でオブジェのカビ除去清掃と再塗装を行うことを決定しました。
施工計画とスケジュール調整
改修工事の途中段階で追加決定された施工だったため、発注から実施まで非常にタイトなスケジュールとなりました。
リニューアルオープンの日程に間に合うよう逆算し、他の改装作業との干渉を避けつつ計画を立てます。
幸いクライアントから指定の希望作業日が提示されていたため、その夜22:00から翌朝4:00までの深夜時間帯で作業を組みました。
営業時間外の深夜帯を活用することで、スパ利用者や他工事への影響を最小限にしつつ作業できます。
また、塗装職人の協力も急遽取り付け、限られた時間内で効率よく清掃と塗装を完了できるよう段取りを進めました。
私たち施工チームと関連業者間で入念に連携を図り、短い準備期間ながらも万全の態勢で当日に臨みました。
オブジェの清掃・カビ除去作業
まずはオブジェ表面に付着したカビ汚れの除去から取り掛かりました。
石像表面の素材を傷めない専用のカビ除去洗浄剤を選定し、刷毛とスポンジを使って丁寧に洗浄します。
細かな彫刻の凹凸部分にも洗浄剤を行き渡らせ、根元からカビを落とすよう心掛けました。
カビ汚れが酷かった台座部分には洗浄剤を十分に浸透させ、時間を置いてからブラシでこすり洗いしています。
洗浄後は高圧洗浄機とウエスでしっかりと薬剤を洗い流し、石像全体の汚れを除去しました。
長年の汚れを落とすことで、本来の白さが少しずつ蘇っていくのを実感できます。
清掃作業完了後は、自然乾燥と送風機による強制乾燥でオブジェを完全に乾かしました。
塗装前に十分乾燥させることで、後述する塗料の密着性を高め、仕上がり品質を確保します。
オブジェの塗装作業と仕上げ
清掃と乾燥が完了した深夜1:00頃から、塗装工程に入りました。
まず塗料が周囲に飛散しないよう、オブジェの周囲床面や壁面をビニールシートとマスキングテープで養生します。
今回は高湿度環境での使用に耐える防カビ性能を備えた白色塗料を選定しました。
石材への下地剤を塗布した後、刷毛とスプレーを併用してオブジェ全体にムラなく塗装していきます。
経年劣化で変色していた箇所や、以前の塗装が剥げて黒ずんでいた箇所も、新しい塗料でしっかりと覆い隠しました。
細部は筆も使い、彫刻の表情を損ねないよう注意しながら塗り込めます。
続いて、壁面に設置された葉っぱモチーフの装飾石も2箇所、同じ塗料で上塗りしました。
壁の造作物はサイズこそ小さいものの、高所にあり脚立を使用しての塗装作業となります。
慎重に養生を行った上で手早く塗り上げ、周囲の壁を汚さないよう十分配慮しました。
全ての塗装工程を終えた時点で時刻は3:30を回っていましたが、乾燥時間を考慮して可能な限り送風機を当て塗膜を安定させました。
最後に養生材を丁寧に回収し、塗り残しや塗料の飛び散りがないか最終チェックを行って作業完了です。
まとめ
本記事では、美容クリニック・スパ内に設置された石像オブジェのカビ除去清掃と再塗装の工程を現場の視点から詳細に解説しました。
高湿度のスパ環境下で内装オブジェの美観を保つには、プロによる適切な清掃と定期的なメンテナンスが重要だと改めて感じます。
今回の施工により、オブジェは真っ白で清潔な本来の姿を取り戻し、スパ空間の雰囲気向上にも大いに貢献しました。
タイトなスケジュールの中で無事に仕上げることができ、短期間でも綿密な準備とチーム間の連携が功を奏する好例となりました。
私たちも現場を通して、装飾石像のメンテナンスには迅速なカビ対策と専門的な塗装技術が欠かせないことを再認識しています。