介護付き有料老人ホームでの天カセエアコン分解洗浄・天井クロスのカビ取り事例

2025/08/19

東京都の介護付き有料老人ホームでの天カセエアコン分解洗浄・天井クロスのカビ取り事例

東京都内の介護付き有料老人ホームにて、天井埋込型(天カセ)エアコンの分解洗浄と、一部天井クロスに発生したカビの拭き取り清掃を実施しました。

この記事では、高齢者施設において室内の空気環境を清潔に保つために、プロが実施したエアコン清掃の手順や使用機材、カビ取り作業のコツなどを現場目線で詳しく解説します。

介護施設や商業施設で空調機の清掃品質を高めたい方にとって、参考になる施工事例です。

  • 作業日時
    5月14日(9:00~17:00)

  • 作業内容
    天井カセット型エアコンの分解洗浄、および一部天井クロスのカビ取り清掃

  • 清掃台数
    天カセ4方向吹出型エアコン 27台、天カセ1方向吹出型エアコン 1台、厨房天吊り型エアコン 2台

  • 施工場所
    東京都 3階建て介護付き有料老人ホーム

  • 設置箇所
    3階(廊下 6台、食堂 3台)、2階(廊下 6台、食堂 3台)、
    1階(廊下 6台、食堂 3台、相談室 1台(1方向タイプ)、
    厨房 2台(天吊りタイプ)、事務室 1台、休憩室 1台)

  • 備考
    敷地内駐車場なし(隣接コインパーキング利用)/
    お昼12:00~13:00は作業中断(入居者の昼食時間帯)

作業前の準備と安全対策

作業開始にあたり、まず各エアコンの電源を確実に遮断します。

今回の施設ではブレーカーが1階事務所で一括管理されており、共用部の室内機は室外機から電源供給されるタイプでした。

そのため、作業前に各室外機のブレーカーを落として、安全に分解洗浄できる状態にします。

また、室内の床や備品が洗浄時の汚水で汚れないよう、養生シートやビニールでしっかり保護しました。

高所での作業となるため、脚立の設置や昇降にも十分注意し、転倒事故の防止策を徹底しています。

さらに、施設スタッフの方々と事前に打ち合わせを行い、入居者様の生活リズムに配慮して、お昼(12:00~13:00)の時間帯は作業を一時中断するスケジュールとしました。

天カセエアコン分解洗浄の手順

天井埋込型エアコン(4方向/1方向)の内部まで徹底的に清掃するため、以下の手順で分解洗浄を行いました。

  1. パネル・フィルターの取り外し
    エアコンの化粧パネル(外装パネル)とフィルターを外し、天井内部の本体を露出させます。
    取り外したフィルターは別途洗浄し、パネルも後で拭き上げます。

  2. 内部部品の分解
    ドレンパン(水受け皿)やシロッコファン(送風ファン)など、内部の主要部品を丁寧に取り外します。
    部品のビスやクリップを無くさないよう注意しながらの作業です。
    重たい部品もあるため、二人一組で支えながら安全に取り外しました。

  3. 高圧洗浄による洗浄
    エアコン本体内部(熱交換器や送風経路)に付着したホコリ・カビ汚れを、業務用の高圧洗浄機で洗い流します。
    専用のアルカリ性洗浄剤を噴霧し、しばらく浸透させた後、洗浄機で高圧水を噴射して汚れを徹底的に洗い落としました。
    この際、周囲に汚水が飛散しないよう、エアコン本体の下部には洗浄用の養生カバーを取り付け、汚水を回収します。

  4. 取り外した部品の洗浄
    取り外したドレンパンやファン、フィルター、パネル類は、別途バケツやシンクで水洗いし、
    必要に応じて洗剤やブラシで細部の汚れも落とします。
    カビが付着して黒ずんでいた部分には、カビ除去効果のある洗剤を用いてしっかり洗浄しました。

  5. 乾燥・組み戻し
    洗浄後、エアコン内部および取り外した部品をしっかり乾燥させます。
    水分が残ったまま組み立てると故障の原因となるため、送風やウエスで十分に乾かしました。
    完全に乾いたことを確認したら、分解時と逆の手順で部品を元通り組み付けます。

  6. 動作確認と仕上げ
    最後にブレーカーを復旧し、各エアコンの試運転を行いました。
    送風状態や冷暖房の効きに問題がないことを確認し、取り外していたフィルターとパネルも装着して作業完了です。
    周囲に飛び散った水滴や汚れも最終的に拭き上げ、清掃箇所の後片付けを行いました。

天井クロス周辺のカビ取り清掃

エアコンからの風が当たる周辺の天井や設備に、黒カビが発生している箇所がないかも確認し、発見した場合は同時に清掃しました。

カビ取り清掃のポイントは以下の通りです。

  • カビ箇所の確認
    エアコン本体や吹出口周辺、天井の点検口枠、その他天井に設置された機器まわりに、黒ずみ汚れ(カビ)の付着がないか目視チェックします。
    特に吹出口付近は風によってホコリが付着しやすく、カビが繁殖しやすいポイントです。

  • 薬剤とブラシで除去
    カビを見つけた箇所には、壁紙を傷めない素材のソフトブラシと、カビ取り用の洗剤(塩素系またはアルコール系)を用いて、表面のカビ汚れをやさしく擦り落とします。
    強く擦り過ぎないよう細心の注意を払い、壁紙クロスを破損させないよう作業しました。

  • 仕上げ拭き
    カビ汚れを除去した後、乾いた清潔なクロス(ウエス)で仕上げ拭きを行います。
    薬剤が残らないように丁寧に拭き取り、カビ菌を除去した箇所をしっかり乾燥させて清掃完了です。

清掃の結果と現場での気づき

今回の作業により、施設内に設置されたすべてのエアコン内部が綺麗に洗浄され、カビやホコリ汚れが一掃されました。

送風ダクトや熱交換器に付着していた黒い汚れも高圧洗浄で除去できたため、清掃後は各エアコンから清潔な風が供給されています。

天井面そのものには大きなカビ汚染は見られませんでしたが、吹出口付近の壁紙にあったわずかな汚れも拭き取り、見た目にも衛生的な空間を取り戻しています。

定期的にこのようなプロの分解洗浄を行うことで、エアコンの効率低下やカビの再発を防ぎ、入居者様にとって安心・快適な空気環境を維持できると感じました。

また、現場で各居室の入り口付近に入居者様のお写真とお名前が掲示されているのが目に留まりました。

その光景から、私たちが清掃しているエアコンの風を日々吸って生活されている方々の存在を改めて実感しました。

だからこそ「この方々のためにも空調を清潔に保ち、きれいな空気を届けたい」という思いで作業に臨み、普段以上に細かな部分まで丁寧に清掃することを心がけました。

現場の気づきを通じて、清掃のプロとしての責任感と仕事の意義を再認識する機会ともなりました。

まとめ

本記事では、東京都内の介護付き有料老人ホームにおける天井カセットエアコン分解洗浄および天井クロスのカビ取り清掃の工程を、現場目線で詳しく解説しました。

高齢者施設の空調機内部にはホコリやカビが蓄積しやすく、放置すれば入居者様の健康にも影響を及ぼしかねません。

施設の衛生管理や設備の長寿命化の観点から、プロによる定期的なエアコン清掃が不可欠であると再認識した事例でした。

エアコン内部の徹底洗浄と周辺環境のカビ取りによって、施設内の空気は格段にクリーンになりました。

清掃のプロとして、今後も入居者様が安心して過ごせる環境づくりに貢献していきたいと思います。

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